グレート物置91

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電工2種 筆記試験 対策(実践編)その2 複線図なんかカンタンだ

前回の続き。

▼「流れ」を意識する。
交流回路なので+-というのはちょっと違うが、要は、非接地側Lから接地側Nへの流れをイメージするのが大事。
具体的には
 L→スイッチ→負荷→N
このイメージ。これで7割5分。

▼3路と4路は難しくない。
 L→スイッチ→負荷→N
に対して、3路が入ると
 L→3路スイッチA======>3路スイッチB→負荷→N

単にスイッチが2段構成になり、その間が2重化されている。
ツナギとしてはそれだけの話である。
負荷へと向かうルートが2つに分岐して、合流する夫々の境目が3路スイッチ。

余談だが、多くのテキストは3路の使い道(A,B双方で回路をON/OFFできる)の説明に偏っていて、このイメージを忘れてしまう気がする。
単純に2重化されたルートのどちらかを選ぶかをA,Bで揃えればONとなり、不一致ならばOFF、というカラクリに過ぎないのだが、このカラクリについてのイメージは配線図問題を解く上ではあまり重要ではない。

鉄道の線路に置き換えるとわかりよい。
単線区間の線路が駅の手前で分岐する(3路A)
駅を出たところで合流する。(3路B)
電流が電車だとして、3路Aと3路Bのポイント切り替えが一致する時は無事通過できる。(ON)
ルートは左右どちらでもいい。


4路がある場合は、



3路スイッチA
||
||
||
 x 4路スイッチ
||
||
||
3路スイッチB

負荷

となる。

要は4路スイッチは2つのルートを切り替えるだけ。
4路の数を増やす=切り替えポイントを増やす。
そんだけ。

電車に置き換えれば駅構内にポイントが在って、左右の線路を行き来できるようになっているというところか。

これで8割。


▼ボックスでつなぐ
基本ではあるが、つい忘れてしまう。
ジャンクションボックス:〇と、アウトレットボックス:□。
スイッチから直接負荷につなぐのではなく、単線図の通りに一度ボックスへ戻すこと。
もちろん単線図がボックスを経由しないのであれば、それに従う。

これで9割。



▼施工図から必要な箇所を取り出す
技能試験には問われないが、筆記試験では施工図として家屋イメージの配線図からピンポイントで出題される。
当該ポイントにつながる線があちこちに伸びていると、複線図がどんどん複雑になって絶望……する必要って実はあんましない、という話です。

先に結論を言えば、

「BOXの先が閉じている系は、電源LNを渡しておけばそれで良い。」

なんのこっちゃわからん、という人向けに補足すると

 


こんなんがあったとして、箱3と箱4の間の最小本数は?と問われたとする。

この時、箱3と箱4につながっている各系を順に追っていくと、箱2、箱5、箱6、箱7…と、どこまで行くねん!と泣きそうな気持になったあなた!
安心してください!
( `ー´)ノ

波線の向こう、青色の箱へは電源線のLとNの計2本を渡してやればOK。
その先でいくつ分岐していようが、箱3~箱4の配線数には影響しない。
細けえことはイーンダヨ! と納得できた人はここで終了。
(*^ ^)v


更に補足すると、
例えば、箱5にはスイッチとRが1つずつ繋がっているが、どちらも「ホ」なので箱5の領域で「閉じた系」になっている。

イメージとしては、各箱を宇宙ものSFチックなイメージで「惑星」と捉えるとわかりよい。
星5には、R型工場衛星×1とその制御基地ステーション×1が存在している。この衛星と基地は1対1であり、他の惑星のものとは連動しない。
ただし、工場を稼働する為の物資供給するラインLと、廃棄物を搬出するラインNが他の惑星へとつながっている。

言い換えれば、箱4からは、供給Lと廃棄Nさえつながっていればよい。

一方で、惑星4の工場「二」を管理する基地「二」は、惑星4ではなく惑星3に存在している。
そうなると、惑星4は惑星3からLとNラインとは別に、「ニ」の監視に関わるラインが別に必要となる。

同じく、箱6と箱7もそれぞれの系で閉じているので箱6へのLNさえあればそれで良い。

以上の観点でまとめると、このケースの複線図は
・箱3~4間の配線に影響しない箱2は無視してよい。
・同じく箱5~7も無視してよい。
・箱1、箱3、箱4までの範囲で作図すればよい。
・それ以外の箱は各々LNの2本を描くだけで済む。(=波線の箇所まででOK)
簡単。('ω')ノ

これで複線図問題は9割5分解ける。


▼残りの5分

どれもしょもないことではあるが、よくある攪乱ポイントは、以下。

▼階下階上のワタリ
例えば3階建てで回路が2Fと3Fに跨っている、というパターン。
これもなんてことはない。↑と↓でつないで読めばいいだけ。
筆記試験は時間に余裕があるので、当該部分の単線図を余白に描き出してみるのもアリ。

▼3路のツナギ順
これは、意識していても見逃すリスクがあるが、3路4路の回路を組んでその先の負荷だけでなく手前の負荷に返ってくるような場合は注意が必要。
要は3路Aで二つに分岐するポイントを手前に持ってくるのか行った先に持っていくのかで、途中経路の配線数が変わる可能性がある。
分岐を遠くするのがセオリーという意見もあるようだが、できれば2通り書いてみることをお勧めする。

▼配線材の径
Rスリーブの数と刻印に影響する。
結節点にVVF2.0が混ざっているのを見落としたりすると、折角描いた複線図が水の泡。(経験者)

以上を抑えて、配線図問題は10割解ける。
長々と書いたが、暗記に頼る要素はほとんどないはず。かつ確実に得点できる。

捨てるなんてとんでもない。