グレート物置91

がんばって書いたのはこちらに置いとく →がんばってなくても置く事にした

田舎暮らしにもいろんなカタチ


以下の記事に触発されて、思うところをまとめてみたくなった。

田舎の暮らしが気ままで楽なんて言わないで 人間関係が… - ちしきよく。

まず、元記事の内容についてはほぼ同意。

この記事に対する僕なりのアンサーとしては、
結局、移住先に何を求めるか? と 候補地の環境に対するリサーチ徹底しる! 
ってことかな、と考えている。

ただ、元記事を読んでいてちょっと補足したくなったので、もしかしたら参考になるかも的な人のために情報提供したい。
という趣旨です。

先に言ってしまうと、田舎といっても色々おまっせ!
ってか、ポイントは「都会と田舎の2択問題ではない」ってことですね。
もちろんそんなことは元記事の方も重々承知しているだろうし、元記事の趣旨とはちょっと違うテーマであることは予めご了承頂きたい。


ではまず実例をいくつか紹介。

 

ケース1:うちの実家
ロケーションとしてはネルガル重工宇宙戦艦ドック建設予定地のほぼ直上にあります。
まあ佐世保ってとこは、神戸や芦屋と違って山手に住んでる方がビンボー人なのですが、見晴らしは良いですね。
下界と違って涼しいし、朝はウグイスが鳴き、夕方にはヒグラシが鳴き、夜には時々ムカデが出る。ゴキはあまり見ないがクモとヤモリは普通にいます。カブトムシとかクワガタはそこらへんの雑木林にいくらでもいるけど、蚊に刺されるからわざわざ行かない。

最寄りのコンビニ…徒歩20分。しかし帰りは登り坂。
一番のネックは、「家に車が付けられない」
最寄りの駐車場まで階段で5分ってのは、手ぶらならともかく大荷物だとかなりツライ。
一往復なら我慢できるけど、先日実家の不要物整理で10往復くらいしたら大の男が泣きそうになりました。
建物はだいぶガタが来てるのですが、借地なのでそう遠くない将来更地にしないといけない運命。
重機やダンプを横付けできないので、費用面でかなり心配してます。

近所付き合い、まあ数軒お隣さんくらいまでは町内清掃とか廃品回収とかで顔見知りだから挨拶はする。「おすそ分け」はなんかお土産とか貰いものがあればお隣さんくらいにはあげる、その程度。それ以上のプライベートには立ち入らない、そんな感じですね。


ケース2:嫁にいった妹の新居
実家と同じ市内だけど、車で15分くらい走った郊外エリアに新築立てた。
周りは田んぼと畑に囲まれたいわゆるステレオタイプなニッポンの田舎って感じのとこ。
車?そこらへんに適当に止めとけや、的な。
コンビニ? 15分くらい歩いたとこにJRの駅あるからその前にあるけど、暑いから車出したるわ、って感じ。
近所付き合い? まあ隣接してる家はないけど、徒歩圏内の数軒には挨拶とか手土産は持ってった。農家の人もいるから時々おすそ分けはあるけど、山盛りとかではないし、貰った時は旅行の土産とかを返すようにしてる。そんくらい。


ケース3:母の実家
SAGA県鳥栖市の中心部から車で15分くらいの郊外エリア。
車がビュンビュン走ってる幹線道路沿いからちょっと走っただけなのに一面の田園風景が広がる別世界。
特に農家的なことはやってないけど、地域の結束は固めかも。
祖父の葬式の時に、地域総出で手伝いしてくれたりしてたのがちょっと意外だった。
庭は広いけど、ほっとくと落ち葉と草ボーボーで大変なので、こないだバーナーで焼き払ったそうな。
もちろん至近のコンビニは徒歩30分だが、市街地へは1時間置きのバスで15分。

昔ここに住むって祖父が言い出した時に祖母は正直「なんでこんな不便なところにわざわざ…」と思ったそうだが、車で行商やってた祖父からすると鳥栖は交通の要衝で、車さえあれば住環境も悪くないのに人気のないエリアで狙い目ってことだったらしい。
もちろん、電車で通勤したい人には絶対的に向かないので車依存が前提。


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とりとめがなくなって来たので「移住先」選定のポイントについてテーマ別にまとめたい。

1)地方、気候
自分が今住んでるのは兵庫県摂津国なのですが、やっぱ関西の平野部って昔から人が集まるだけあって気候がいいと思うのです。
こっちの人って台風が来ると大騒ぎするけど、台風銀座出身者からすると瓦も飛ばんようなのは台風じゃねえと思ってるんでここって平和だなーと毎度微笑ましいです。最近のJRはすぐ電車止めよるから郊外の人はあんまり楽観できないけどね。
同じ兵庫でも但馬や丹波と違って雪もほとんど積もらないし、水不足の心配もないし。空気が悪い以外はかなり恵まれてるように思える。
台風と虫さえ耐えられるなら九州は楽園だけど、総合的には瀬戸内海沿岸エリアが日本のベスト居住ゾーンだと思う。


2)交通の便
ざっくり言えば以下のどちらかに割り切るのが良い、と思う。
A:徒歩圏内に駅もしくは高頻度のバス路線がある。
B:車がないと不便だが、止めるところはいくらでもある。

ただし、「俺は離島で釣りと農業に生きるから移動の必要がそもそもねえ!」的な人はまた別の基準があってもいいかなとは思う。
でもまあ医療機関や役場へ通う足は居るから、思慮外ってのは危険。
ご近所の実例で言うなら、能勢で暮らしてたけど年取って生活しんどいから川西に降りて来た、的な。そういうことは考えておくべき。


3)立地
お国柄、とかではなく日当たりとかそういう狭い意味で。

まず優先すべきは「風通し」。都会でもそこだけは妥協しない方がいい。
「日当たり」は次点。都会だけの話じゃなくて、例えば谷間の集落で日が翳るの早杉とかそういうの。あと、山沿いだと家の東側なのか西側なのかそういうところも気にすべし。
次、持ち家の場合は「水はけ」。なんも、シラス台地の高台に住めとは言わんが、川が溢れたらすぐ水に浸かりそうな土地なのかちょっとだけ高くなった土地なのかで大きく明暗が分かれる。


4)近所付き合い、人間関係
これは、地方とかその地域限定の事情があるから一概にくくれない。

もちろん元記事にあるような閉鎖性というものは存在するが、必ずしも「田舎=閉鎖的なムラ社会」とは限らない。
例えば佐世保みたいに明治までだれも住んでなかったところにあちこちから流れて来たような都市はでっかいニュータウンみたいなもんだし、街中をアメちゃんが普通に歩いてる日常のせいか「よそもんに対する排除意識」は低い気がする。(人によるけど)

大事なのは、移住先がどういう環境なのか?それが自分の志向や嗜好と一致するのか?という見極め。
そういう意味で、辺鄙な陸の孤島とか過疎集落とか離島はハードルが高い気がする。地方都市だから万全!ていうわけでもないし、結局は付近住民の数十名のメンバーに恵まれるか否かなのかも知れないが。