グレート物置91

がんばって書いたのはこちらに置いとく →がんばってなくても置く事にした

バニラエアの件で思うこと。

木島氏の行動についての見解としては
いすみの社長さんのご意見 http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=2918
にほぼ賛成、という立場なのでここでは多くを語らないけれど、端的に言って木島氏の今回の行動には全く賛同できない。

誤解の無い様に断言しておきたいが、
木島氏のサイトhttp://www.kijikiji.com/self/vanilla.htm
にある
「過剰な対応は不要」「できることをやってほしい」という理念そのものには大いに賛成。

ただ、「言っても通じないから強行した」という思考は合点がいかない。
あれ買って、と駄々をこねるのが子供であればともかく、大のオトナがその効果を意識して意図的に実行するならば、もうそれは聖戦の名を借りた自爆テロと何ら変わりはないように思う。


大きな声でなければ届かない

確かにそういう事もあるだろう。
しかし、その為に何をやっても良いということにはならないはず。

今回のケースであれば、もし事前連絡を入れた上で無下に断られた、という展開なのであれば氏の問題提起についての正当性が保たれるし僕も強く支持したい。
しかし、「以前もそうだったから、今回もそうだろう」は勝手な予測に過ぎないし、もし今回もまたその通りであったとして、それでは当日現場でゴネようという選択は、現場スタッフの良心につけこんだ姑息な手段のように思えてならない。


「事前連絡してほしい」は「バリア」か。

これは木島氏自身の主張ではない(と思う)が、そういうブコメが目に付いたので。

気持ちはまあわかる。
別途確認するのは億劫だし、迷惑と思われないかと不安だし、数日前に連絡してというのは不便である。
それはその通り。

ただここで、看過すべきでないと思うのは、足が不自由な乗客に対して何かしら「特別な対応」が必要という事実である。
もちろん、足が不自由な人にとっても「特別な対応」が要らない、という環境が理想であるし、その実現の為の努力は必要だろう。
しかし、今回のケースにおいて、その理想はまだ現実ではないということは、木島氏自身もよく認識した上での行動なのである。

「特別な対応」というのは、何も物理的な介助に限らない。
突然現れた木島氏を乗せて良いか確認するのも仕事だし、窓口や搭乗口で揉めているのを待たされる客だって居るわけで。


飛行機は健常者だけのものではない、しかし、障碍者だけのものでもない。

航空会社が全ての乗客に常に同時に平等に接することは困難かもしれないが、その為の改善は必要だろう。
ならば、利用する側もまた「できること」をやる、という歩み寄りが必要だと思うし、そして「事前連絡」は「できること」なのではないか、というのが僕の思うところである。

何より、バリアフリー実現に向け「できることやろうぜ」という木島氏の理念には大いに賛成なので、願わくば氏自身の心無い行動でその達成を阻害することのないようにしてほしい。