グレート物置91

がんばって書いたのはこちらに置いとく →がんばってなくても置く事にした

質問なのかどうか正直迷ったけれど、気になったので。

 

id:shenlong さんからのIDコール↓に対する回答です。
http://b.hatena.ne.jp/entry/340503365/comment/shenlong

「どこが?」と訊かれて、強いて回答するならば

「ナニ金における作画全般」
もしくは
「作品を読み通して作画から得る印象」
とでもいうべきか。
 
いや、まず誤解の無いように重々言っておきたいのだけれど、ナニ金は「読み物」としてすごく面白いし、これをノベルではなく漫画で描こうとした青木氏のアイデアとそれを結実させた実行力について僕は高く評価している。
大事なことなのでもう一度言うけれど、ナニ金は面白い。
また、ナニ金のファンを貶す意図もない。

ただ、「おまえがすごいと思う漫画を挙げろ」と言われて、僕がナニ金を挙げる余地はない。
それはナニ金が駄作だからなのではなくて、僕が個人的に漫画に求めるものがナニ金には欠けているから。である。

それが何かを具体的に示すのはなかなか難しいのだけれど、強いてたとえ話をするならば、面白い小説のページをひたすらめくるだけの動画があったとして、それは決して面白い動画ではないし、かつ同時に元の小説が悪いわけではない。

 

ちょっと前置きが長くなったが本題。


元々の話、「漫画に対する侮り」と↓で僕が表現した件について。
http://b.hatena.ne.jp/entry/340503365/comment/gm91

ナニ金を読んで僕がその作画に思うのは、作者たる青木氏の「漫画に対する拘りのなさ」である。
既に鬼籍に入られており、余人には断言できないことであるが、氏にとって、漫画は単なる媒体の一つに過ぎないんだと思う。

いや、そんなことはない、青木は畳の目の一つ一つまで丁寧に書きこんどるやないか緻密な作画や手抜きナシじゃい!
と憤られるファンも多かろうと思うのだけれど、僕はあえて言いたい
「そこはトーンでええねん」

もっと他に漫画として拘るとこはないのか、という点で僕は青木氏の作画に大いに不満である。
一生懸命なのはわかる。よくわかる。しかし何かがズレている。
背景の飲み屋の看板にMEKOとかワカメとか書いてる間に、例えば人物の目線とか表情とか立居振る舞いとかそういうとこでストーリーをもっと深く表現できると思うのだが、氏の作画は終盤までまったくそういう要素に対して全く無頓着であり、それはナニ金を漫画として見た時に大いにもったいない話だと思う。

無論、あの作画でウケたという要素もあり、その点も含めて青木氏のビジネスモデルの秀逸さだと思う。
そこも踏まえて、「漫画とはこういうもんや」という氏の「見切り」なのだと僕は認識している。
そしてそれを僕は「侮り」と呼んだし、そのことに特段悪意はない。
また、元記事 https://honcierge.jp/articles/interview/1 にある三田氏の漫画論と三田氏の作品にも同じものを感じたのである。


質問に対する回答として不足あれば補足します。 >id:shenlong 氏